【ブランド経営のヒント】は、ブランドコンサルティングの視点から、世界で認められ、愛されるブランドの事例をとり上げ、卓越したブランド経営や進化するブランド戦略の『ヒント』と『ヒントの活かし方』を探るメールマガジンです。(毎週火曜・金曜配信)
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こんにちは。
今回は【ディズニーのサービステーマ/ヒントの活かし方編】です。
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■目次
--------------- ◇前回(火曜日)のおさらい◇ -------------
・テーマ【ディズニーのサービステーマ】
・ヒント【5W1Hで見えるサービステーマの卓越した進化】
--------------- ◇今回(金曜日)の追加項目◇ -------------
・ヒントの活かし方【組織ブランドコンセプト設計への応用】
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◇◆ テーマ【ディズニーのサービステーマ】
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わたしたちは最上のエンターテインメントを提供することにより、
すべての年代の人々のために、すべての場所で幸せを創造する。
(ウォルト・ディズニー社のサービステーマ)
--◆解説------------------------------------------------
ディズニーのサービステーマは、企業の目的を明確に定義し、従業
員のあいだにメッセージを浸透させ、企業のイメージをつくりあげ
るという3つの重要な役割を果たしています。
ウォルト・ディズニー社のサービステーマは、ディズニーのビジョ
ン(幸せの創造)、それを実現する手段(最上のエンターテインメ
ントを提供する)、その対象(すべての年代の人々のためにすべて
の場所で)を宣言しています。
ディズニーの"エンターテインメント"といえば、テレビ番組、映
画、本、テーマパーク、クルーズであり、ディズニーの事業領域を
明確に示しています。
また「最上のエンターテインメント」は、ゲスト(顧客)や社会に
提供する具体的な価値イメージも明確にしています。
すなわち「エンターテイメント」という言葉を2つの意味で用いる
ことで、文言の濃縮化を図っています。
そして世界中のウォルト・ディズニー社で働くキャスト(従業員)
全員が、このサービステーマによって、最終的な目標を共有してい
ます。
ディズニーのサービステーマは単なる飾り板に刻まれた言葉ではな
く、生きたテーマなのです。
<参考文献>
ディズニーが教えるお客様を感動させる最高の方法(日本経済新聞社)
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◆◇ ヒント【5W1Hで見えるサービステーマの卓越した進化】
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今回、注目したいのは「わたしたちは最上のエンターテインメント
を提供することにより、すべての年代の人々のために、すべての場
所で幸せを創造する。」というディズニーのサービステーマです。
このサービステーマをブ経営理念・マーケティングの視点から、
5W1Hで要素分解して置き換えると、下記のようになります。
<経営理念>
●Who(誰が/主体)⇒わたしたちは(キャスト全員は)
●For What(何のために/ビジョン(注1))⇒幸せを創造する
●How(どうやって/ミッション/ビジョン実現の手段)
⇒(その実現のために)最上のエンターテイメント(注2)を
提供する
<マーケティング>
●Where(どこで/地理的市場)⇒すべての場所で
●To Whom(誰に/ターゲット)⇒すべての年代の人々のために
●What(何を/提供価値)⇒最上のエンターテインメント(注3)を
注1)ビジョンとは「主体が社会の普遍的な願望を想い、それを主体
らしく叶えようとする志」
注2)ビジョンを実現する事業領域としての「エンターテインメント」
注3)顧客が知覚する価値としての「エンターテインメント」
実はディズニーのおおもとのサービステーマ(1955年?1970年)は、
現在よりシンプルなものでした。
「わたしたちは幸せをつくる」
すなわち「経営理念」の2Wのみの定義でした。幸せこそ社会や顧客の
普遍的な望みであり、それをつくることをディズニーは自らのビジョ
ンとしたのです。
その後、事業領域が拡大するなかで、市場や競争の存在を意識するよ
うになり、第二次サービステーマ(1971年?1989年)を掲げます。
「わたしたちは、最上の家族向けエンターテインメントを提供するこ
とにより、幸せをつくる」
上記のとおり、ミッション(最上のエンターテインメントを提供する),
マーケティングのターゲット(家族向け)、提供価値(最上のエンタ
ーテインメント)、が付加されました。
その後、90年代までにディズニーは多様な年齢層に潜在的な顧客が存
在し、世界的市場を形成しつつあることを認識し、1990年から現在の
サービステーマへと進化しています。
5W1Hに要素分解したうえで、サービステーマの進化を振り返ると、時
代を超えて永続するビジョンと市場環境や事業領域によって進化する
項目との卓越したバランスがよく見えてきます。
サービス業に限らず、顧客を有するすべての企業には、こうしたサー
ビステーマの設定と進化が求められます。これは業種を問わず、参考
になるかと思います。
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◇◆ ヒントの活かし方 【組織ブランドコンセプト設計への応用】
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ディズニーのサービステーマは、簡潔な文章で、組織ブランドコンセ
プトの構成要素を上手く取り入れています。
組織ブランドとは、顧客・従業員・株主などステークホルダーが知覚
する組織としてのブランド(例:ディズニー、リッツカールトン)を
指します。
組織ブランドは、マーケティング領域では組織が提供する商品・サー
ビスの価値を保証・促進し、マネジメント領域では魅力的な組織文化・
組織スタイルを醸成する原動力となります。
また組織ブランドは、企業のみならず、自治体・教育機関・医療機関・
公共機関・NPOといったあらゆる組織・団体が対象となります。
組織ブランドのコンセプトを設計する際には、経営理念と一体化した
組織ブランドとしてのターゲットや提供価値を規定・更新することが
求められます。
◇ディズニーの組織ブランドコンセプト(サービステーマ)
<経営理念>
●Who(誰が/主体)⇒わたしたちは(キャスト全員は)
●For What(何のために/ビジョン)⇒幸せを創造する
●How(どうやって/ミッション/ビジョンの実現手段)
⇒(その実現のために)最上のエンターテイメントを提供する
<マーケティング>
●Where(どこで/地理的市場)⇒すべての場所で
●To Whom(誰に/ターゲット)⇒すべての年代の人々のために
●What(何を/提供価値)⇒最上のエンターテインメントを
ただし経営理念については、ジェイコンサルティングとしては補足した
い部分があります。
『幸せの創造』はビジョンにあたるとみていますが、ビジョンを描く根
底にある根本哲学や価値観(バリュー)も、組織によっては存在します。
自社のブランドコンセプトを設計する際も、ディズニーの事例はヒント
になるかと思いますが、ディズニーは現在グローバルブランドですので、
市場やターゲットの設定がかなり広くなっています。
また複数の事業を有しているため、提供価値についての記述も抽象度が
高くなっています。
このあたりは自社の事業特性や進化の度合をみながら、ブランドコンセ
プトを慎重に設計することが求められます。
ジェイコンサルティングのモットーは「理念を大切にするブランドコン
サルティング」です。組織ブランド構築(コーポレートブランディング)
の分野でも、顧客企業の理念を最も重視した支援を行っています。
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