サービスとは「ニーズを充たす便益を提供するための活動・プロセス」であり、顧客・スタッフ・システムの相互作用によって成立します。
従って多くのサービスは「顧客自身によるセルフサービス」と「スタッフ・システムが顧客の便益のために行うサービス」の2つの要素から構成されています。
こうした事実認識は「その便益のために、お客様はどの程度労力をかけているのか?」といった内省やサービスの経済性把握につながり、さらなるサービス進化を促します。
またサービスは下図のとおり製造業も含めあらゆる産業と関わりを持っています。

1.財カテゴリー
一般に顧客が財を使用することが容易であり、顧客のセルフサービスに委ねることが受容されているカテゴリ
ーです。しかし一方で、顧客のセルフサービス支援ニーズを発見できれば、便益を向上できるカテゴリーとも
いえます。例えば「液垂れしにくいキャップ」「握りやすく、すべりにくい取っ手」といった便益は、サービスマイン
ド(思いやり)を財にこめた好例といえます。
2.財(+サービス)カテゴリー
顧客に主として財を提供しているものの、財の使用支援・メンテナンスなどに付随するサービスを提供してい
るカテゴリーです。自動車・コンピュータなどが代表例です。
3.財+サービスカテゴリー
財とサービスがほぼ同等の存在感で顧客に提供されているカテゴリーです。料理という消費財と共に、接客・
オーダー受付・食事に適した環境といったサービスを提供しているレストランなどが代表例です。
4.サービス(+財)カテゴリー
顧客に主としてサービスを提供しているものの、サービスに付随して財も提供されているカテゴリーです。短
時間での安全な移動という基本サービスに加え、客室乗務員・機内システムなどによる各種サービスを提供
し、なおかつサービスに付随する飲み物・子供向玩具・毛布といった消費財を提供・貸出する航空産業などが
代表例です。
5.サービスカテゴリー
基本的には顧客にサービスのみを提供しているカテゴリーです。家事代行サービス、カウンセリングサービス
などが代表例です。
このようにサービスはあらゆる産業に関わる要素であり、サービスを核としたマーケティング戦略も重要度を増し
ています。
サービスマーケティング戦略を立案する際には「事業においてサービスが担う役割」を想定し、関連するSBU(戦略事業単位)を定義したうえで、主に下図のアウトプットを想定し検討することが重要です。

サービスマーケティング戦略策定は、戦略仮説の立案と仮説の検証を繰り返しつつ、最終的な戦略の決定に至ります。
その過程においては、少なくとも以下の7点について何度か問いかけることが重要です。
1.そのサービスは、当該事業においてどのような役割を担えるのか?(サービスの役割)
2.そのサービスは、どのような基本ニーズに関連し、どの程度の需要が見込めるのか?
(市場:Market)
3.そのサービスは、どのような背景・個別ニーズを抱える顧客セグメントに支持されることが、売上・
利益・戦略的成果などの観点からみて最適なのか? (顧客ターゲット:Target)
4.そのサービスは、顧客ターゲットが重要と考える購買決定要因のどの点で相対優位となれる
のか?(ポジション:Position)
5.そのサービスは、顧客ターゲットのニーズを充たすどういった価値が感じられるのか?
(バリュー:Value)
6.そのサービスは、どのようなサービスマーケティングミックスによって顧客ターゲットに提供される
ことが、顧客ニーズ充足・収益性などの観点からみて最も望ましいのか?
(サービスマーケティングの6P)
7.そのサービスは、組織のどういった願い・資産・能力を根拠に、その価値や優位性を持続できる
のか?
通常のマーケティング戦略との違いは、従来のマーケティングミックスの4Pに、人(Person)とプロセス(Process)の2Pが加えられ、全部で6Pとなる点です。
ここでいうプロセスとは顧客・スタッフ・システムの相互作用に基づくプロセスであり、プロセスだけでなくプロセスを支援するシステム要素も検討範囲に含まれます。
ジェイコンサルティングは様々な業種のサービスマーケティング戦略支援に携わった経験から、こうした問いかけに応える戦略支援を行うためには、組織の特性・状況に応じて「相対価値アプローチ」と「絶対価値アプローチ」という2つのアプローチを適切に用いることが効果的であると考えています。
下図はそうしたアプローチを含めたサービスマーケティング戦略の標準的プロセスです。

相対価値アプローチとは「他との比較によって、その価値を明らかにするアプローチ」です。
相対優位を念頭に置いた客観的な分析を重視します。
競合と比較した自社の相対的な強みを発見するためのサービス組織・サービスプロセス分析に基づく戦略立案が核となります。
一方、絶対価値アプローチとは「それ自体で独立的かつ明瞭な価値を創発するアプローチ」です。
理念・価値観・組織の暗黙知・現場での共体験・比喩情報などを念頭に置いた主観的な発想を重視します。
サービス現場での気づきから「顧客にとって望ましいサービス経験」について着想するワークセッションに基づく戦略立案が核となります。
各々のアプローチには魅力とリスクが存在しますが、適切に用いれば相乗効果が期待できます。
また「何が適切なのか」という基準は、組織の特性・状況によって異なります。従いまして標準的なプロセスは参考にしつつも、実際にコンサルティングを行う際には、お客様のご要望・状況を踏まえ、ご支援の範囲を定めたオーダーメイドのフレームワークをゼロベースで検討しご提案いたしております。
ジェイコンサルティングは顧客企業の特性と状況に最も適したサービスマーケティング戦略策定をオーダーメイドでご支援いたします。
【関連サービス】
サービスブランド戦略
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