ブランドの基本機能は、組織・事業・商品・サービス等の「識別を容易にすること」にあります。ブランド名・ロゴ・シンボルといった要素は「識別を容易にする手段」として用いられています。
またブランドになる対象は、組織・事業・商品・サービスのみならず、下図のような対象も含みつつ、その対象範囲は現在進行形で拡張しています。

こうしたブランドになる対象を問わず、価値あるブランドは『魅力的なブランドコンセプト』を備えています。ブランドコンセプトとは「そのブランド全体を貫く基本思想」を指し、ブランド価値・ブランドターゲット・ブランド経験の3要素で構成されています。

1.ブランド価値
ブランド価値とは『そのブランドにしかできない魅力的な約束』を指します。ブランドコンセプトの中心に位置し、ブランドターゲットと共鳴し、ブランド経験の方向性を示す役割を果たします。
2.ブランドターゲット
ブランドターゲットとは、そのブランドの価値観や感性を象徴する顧客ターゲットを指します。ブランドターゲットには単なるコアユーザーである上に、ブランドの広告塔としての役割が期待されます。
3.ブランド経験
ブランド経験とは「顧客の心をつかむ、そのブランドらしい経験」を指します。顧客は、ブランド接点(人・商品・サービス・広告・店舗・ウェブサイトなど)を通じて、そのブランドに関わる数多くの経験をします。そのなかでも「そのブランドらしい経験(そのブランドの価値が最も感じられる経験)」は、顧客の心をつかみ、顧客ロイヤルティに貢献します。
この事実は企業が「顧客ロイヤルティにつながるブランド経験」を特定することで、資源配分の方針を得ることも意味します。企業はブランド価値に基づき「どのブランド接点に・どの程度・そのブランドらしい経験が求められるか?」を規定することで、メリハリの効いたブランド投資を実現できます。
ジェイコンサルティングでは、魅力的なブランドコンセプトの要件として、下記を満たすことを掲げています。
◎魅力的なブランドコンセプトの2要件
【客観】 顧客の願望を最も叶える「ブランドコンセプト」であること
【主観】 自社の理念・感性・強みが活きる「ブランドコンセプト」であること
主客一体のブランドコンセプト。これがブランドコンセプトの魅力を最大化すると考えています。
ジェイコンサルティングでは魅力的なブランドコンセプト(ブランド定義)抽出を核としたブランド戦略を志向しており、下図の戦略アウトプットを想定しています。

ブランド戦略策定は、戦略仮説の立案と仮説の検証を繰り返しつつ、最終的な戦略の決定に至ります。その過程においては、少なくとも以下の点について何度か問いかけることが重要です。
<1>ブランドコンセプト(ブランド定義)に関わる問いかけ
1.そのブランドにかける想い・願いとは何か?(推進主体のブランドミッション)
2.そのブランドが提供するブランド価値(機能的便益・情緒的便益・自己実現便益)とは何か?
3.そのブランドが醸し出す人格とはどのようなものか?(ブランドパーソナリティ)
4.そのブランドに最もふさわしいブランドターゲットとはどのような人か?
5.そのブランドがブランド接点で提供する「最もブランドらしい経験」とはどのようなものか?
<2>ブランドマーケティングに関わる問いかけ
1.そのブランドは、どのような市場に属していると知覚されているのか?
2.そのブランドが属すると知覚されている市場は、どの程度の需要が見込めるのか?(市場:Market)
3.そのブランドは、どのような背景・個別ニーズを抱える顧客セグメントに支持されることが、売上・利益・
ブランド価値・戦略的成果などの観点からみて最適なのか? (顧客ターゲット:Target)
4.そのブランドが、顧客ターゲットから売上・利益を得るためには、ブランドのどのような機能がより重視
されるのか?(ブランドの機能)
5.ブランド定義で設定したブランドターゲット像は、実際の顧客ターゲットにとって魅力的で共感できる
ものか?
6.そのブランドは、顧客ターゲットが重要と考えるどういった差別化ポイントを有しているのか?
(ブランドポジション:Brand Position)
7.そのブランドは、顧客ターゲットが期待する客観的なブランド価値と推進主体が描いた主観的なブラ
ンド価値を一体化するようなブランド価値が感じられるのか?
(主客一体のブランドバリュー:Brand Value)
8.そのブランドは、どのようなブランドマーケティングミックスによって顧客ターゲットに提供されることが、
ブランド価値の体現・顧客ニーズ充足・収益性などの観点からみて最も望ましいのか?
(ブランドマーケティングの4P)
9.そのブランドは、組織のどういった願い・資産・能力を根拠に、その価値や優位性を持続できるのか?
ジェイコンサルティングは様々な業種のブランド戦略支援に携わった経験から、こうした問いかけに応える戦略支援を行うためには、組織の特性・状況に応じて「相対価値アプローチ」と「絶対価値アプローチ」という2つのアプローチを適切に用いることが効果的であると考えています。
下図はそうしたアプローチを含めたブランド戦略の標準的プロセスです。

相対価値アプローチとは「他との比較によって、その価値を明らかにするアプローチ」です。相対優位を念頭に置いた客観的な分析を重視します。
例えば顧客によるブランド連想調査、競合と自社ブランドの現状分析、自社のブランド資源分析などが挙げられます。
一方、絶対価値アプローチとは「それ自体で独立的かつ明瞭な価値を創発するアプローチ」です。
理念・価値観・組織の暗黙知・現場での共体験・比喩情報などを念頭に置いた主観的な発想を重視します。例えば組織の暗黙知を引き出すワークセッションによるブランド経験発想・ブランドターゲット発想ベースのブランド価値抽出などが挙げられます。
各々のアプローチには魅力とリスクが存在しますが、適切に用いれば相乗効果が期待できます。
また「何が適切なのか」という基準は、組織の特性・状況によって異なります。従いまして標準的なプロセスは参考にしつつも、実際にコンサルティングを行う際には、お客様のご要望・状況を踏まえ、ご支援の範囲を定めたオーダーメイドのフレームワークをゼロベースで検討しご提案いたしております。
ジェイコンサルティングは顧客企業の特性と状況に最も適したブランド戦略策定をオーダーメイドでご支援いたします。
【関連サービス】
コーポレートブランディング(組織ブランディング)
ブランドマネジメント
サービスブランド戦略



